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今の時代は独立と言うと《店舗を構える》か《フリーランス》という二択になるのではないでしょうか。
「自分のお店オープンしたんだよね」
「今はフリー美容師だよ」
「独立したから個人事業主になった」
など、周りの美容師さんから報告を聞くと今後の自分の働き方が気になりませんか?今回はフリーランスで働く前に知っておきたい6ポイントについて書いていきます。
①業務委託は完全なフリーランスではない
業務委託契約とは企業から業務委託され、その業務を行うことで報酬を得るもので、「雇用」ではなく、「請負」と「委任」の二種類になります。美容師で言うとサロンや会社が集客をし、その依頼業務を受けるというのが業務委託の働き方です。
メリットは働く時間や休みは自分のペースで調整できることや、契約に基づいた業務をすればよいことです。
デメリットは集客は自分で行わないため、サロン側に広告費がかかるので報酬の還元率がわるい事と、確定申告や税金の申告、保険の支払いなどすれば、手元に残る報酬は正社員とあまり変わらないことです。
ですが、フリーランスの場合は自分で集客をするので、業務委託に比べるとサロン側の広告費がかからないので報酬の還元率は大幅にアップします。
②会社員とフリーランスの違いを自覚する
美容師さんの場合は一般的にサロンや企業に就職しアシスタントからスタイリストになり、転職を経験した後で独立するケースが多いでしょう。
人は生まれながらずっと、学校や企業など、なんらかの組織に所属して守られていたのですが、独立することで会社員との違いを意識しないと「こんなはずじゃなかった…」と後悔しますし、フリーランスを長く続けていくことはできません。
フリーランスになれば、本来のサロン業務以外の雑事が大幅に増えます。リスクはありますが、一つ一つをクリアしていけば、だれかの顔色を気にする必要もなく、自分らしく自由に働けます。
③傷病手当金がなく、病気や怪我は即無収入
会社員は、病気やケガをした時に休んだとしても、先輩や同僚がフォローしてくれ、予約の変更や、代わりに担当してもらうことができます。
しかし、フリーランスに代わりはいません。もし、倒れたり仕事に出れない状態が続くと、お客さまには迷惑をかけ、信用を失うことになってしまいます。
フリーランスを長く続けていくには健康管理も大事です。長期休暇や傷病手当金がなく、治療も全て自己責任になるので、長期間休めば収入が途絶えるだけでなく、出費も増えるというダブルで痛手になります。
※会社員と個人事業主の保険の違い
④国民健康保険や国民年金、住民税の支払いは大きい
フリーランスになると、社会保険料の支払いもしなくてはいけません。努めていた時の給与の3倍は稼がないと生活は維持できなくなります。
美容師の場合は基本、社員を雇用すると給与の三倍は経費がかかり、健康保険・雇用保険・厚生年金は、すべて会社と折半なので手厚いですが、フリーランスの場合はすべて実費になります。
・所得税・住民税
・社会保険料(国民健康保険、国民年金)
・仕事の経費(場所代、材料費、広告費、交通費)
・消費税
売上からこの4つを差し引いた金額がフリーランス美容師の「手取り」になります。これをしっかり認識することが必要です。
⑤現状維持はジリ貧になる
リーマンショック、東日本大震災、コロナウイルス。これからどんな天災が起こるかも分かりません。そして日本ではデフレ経済が続いています。
金利は上がらないのに消費税率は上がっていく時代です。フリーランスを取り巻く環境は、それ以上にデフレです。
フリーランスの場合は完全歩合制なので、若い頃は同世代より比較的収入は高くなります。しかし、年齢が上がっても役職手当などがなく、組織で働いている美容師さんとは異なり、むしろ、自由を満喫ばかりしていると将来的には先細りになる可能性が高くなります。
⑥将来の自分の働き方を設定する
フリーランス美容師になって、3年後5年後10年後の自分の将来をイメージし、ポジショニングを設定することが重要です。
安易に休みが自由だから経費が自由に使えるから、という理由でフリーランスになるのではなく、キャリアアップのための段階としてフリーランス美容師という働き方をしたほうが将来は有利になります。
①会社やチームを作って
仕事全体を請け負うスタイル
②企画やアイデアを提案し
コンサルを請け負うスタイル
③専門性を高め、
講師など請け負うスタイル
この三つのどれかに設定し、目標にしていくのが良いでしょう。一匹狼の45歳を過ぎるとフリーランスは厳しくなると言われています。目の前の仕事をこなしながら、将来的に「どうなりたいか」を常に考える必要があります。
まとめ
フリーランス美容師とは組織に所属せず、自分の才能と価値観で生きていこうと決めた働き方です。
自分の裁量で動けて、やらされ感のない働く環境はモチベーションも維持でき快適で、頑張ったぶんだけ報酬に反映されることは、とても魅力的です。
美容師として生き残っていくためには何が必要か?5年先10年先の先を考えながら自分で方向性を決めているいくのは、やりがいのある働き方です。